企業報告におけるマテリアリティをどのようなものだととられているかとの質問には、「環境、社会、その他ステークホルダーへの重大な影響」との回答が43%と最多となりました。他方、マテリアリティを企業価値に影響するものだととられる「企業の競争優位性」、「企業の強みや弱み」、「企業の差別化要因」の3つの回答を合計すると48%となりました。環境や社会等への影響と企業への影響で、およそ半々に回答が割れる結果となっています。マテリアリティを考えるには、「何に対して」を明確に意識する必要があります。そのうえで自社の企業価値に対する観点と環境や社会等に及ぼす影響の観点から、何がリスクであり、機会につながる事項なのかを分析することが大切です。この分析を通じて、経営の意思決定や戦略遂行、モニタリング、社内外の共創関係の構築等が、企業価値に結び付くものとなっていきます。「自社が存在する意義、価値」を意識しながらの継続的な検討を行える体制整備も大切なものとなるでしょう。